理念情報 

 「哲学的コラム」
Japanese Dream Realization



まえがき


 哲学とは、物事の本質を洞察することを使命とする営みである。それ故に、哲学書は、具体的事例から抽象的真理を導き出し、概念的に著述されてゆく。そして、哲学者の眼は、常に物事の表面にではなく、根源的な内奥に実在する理念(イデア)を観じている点において、著述された真理は、現象的な時間空間を超越して、何十年、何百年、何千年と遺ってゆくのである。

 この哲学的コラムは、日常生活の真理から、歴史的現実の真理に到るまで、様々な事柄について、哲学者の眼で洞察し、コラムの形式を用いて著述したものである。内容は、様々にあるけれども、一貫して流れている課題の一つは、日本精神的なるものの洞察であり、世界史的観点からの普遍化である。

 古代の神話から近代史に到るまで、日本精神の営みの内には、実は、かなり西欧の精神の営みと真髄において一致するものがあり、哲学的真理の観点から止揚統合されうるものが数多く見受けられるのである。

 例えば、古代ローマ帝国の理想像と精神理念は、未だに西欧文化文明に引き継がれているといえるが、実は、古代ローマ帝国の精神に通ずる精神理念が、古代日本国の伝統精神にも実在し、その理念は、現代日本にも引き継がれているが、忘却されてしまっているものも多いといえるのである。

 このような、日本固有でありながら、限りなく普遍的な文化理念をルネサンスしてゆくことも、新時代の日本のあり方を考えてゆく上で、大変有意義なことであると思われる。

 古代にも通じながら、現代にも通じ、新時代にも通じてゆくのが、真なる哲学的精神であり、時空を超えた真実在たる理念である。真なる理念をルネサンスしてゆくことによって、そこから、新たな文化文明が、よりイノベーションされて誕生してゆくことを、大いなる希望をもって待望するものである。



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