理念情報

 「哲学的コラム」
Japanese Dream Realization



「関税政策により国内産業の空洞化を防ぐ視点と経済学的真理について」



JDR総合研究所 代表
天川貴之




 ハイエクは、その著『自由の条件』の中で、法治国家、法の支配に基づく自由な経済活動の大切さを力説している。この点では、日本は、国際的合意の尊重と協調の姿勢をとってゆくことが大切である。

 サミュエルソンは、自由貿易と、関税などの保護貿易について、自由貿易による国際分業の方が、国益にも世界益にも適うことは、経済学者の共通の理解であると述べている。

 これに対して、トランプ大統領の一連の関税政策は、要は、空洞化した国内産業(特に、製造業)をアメリカに戻すことを主旨としているものであり、そこには正論な所もある。

 同じく、この日本国においても、現在、トヨタやパナソニックやソフトバンクに代表される主要な大企業が、その拠点を徐々に海外にシフトしていっている点を見ても、既に日本国の産業の空洞化をまねいているとも言えるのである。

 このように、日本国の経済政策においても、国内産業の空洞化を防ぐことは大切であり、一理あるのである。

 一方で、自由貿易や、法の支配の下における自由な経済活動も重要であり、それは適切な国際分業をもたらし、国益、並びに、世界益に貢献することも事実である。

 例えば、現在、日本国の企業の多くが未だ中国に拠点を持ち、産業がつながっていることで、それが、ある程度、この地域における協調と国際平和を担保していることもまた事実である。

 一方、日米同盟は大切である。いくら相互の経済繁栄による平和が大切と言っても、国家の存亡にかかわる安全保障や国防を疎かにしてはならないのである。





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