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「哲学的コラム」 | ||
Japanese Dream Realization |
「哲学と 小説と 理念と 日常の人生の幅について」 |
ヒルティの『幸福論』を読んでみても、神と人間や、聖書や、ストア哲学や、カント哲学の救済力について語っている。また、モンテーニュを楽しく読んでいても、神と人間について、文化の核心について語っている。 プラトンや西田幾多郎もそうであるが、形而上学的理念・イデアなしに、哲学を語ることは出来ない。 一方、小説においては、例えば、早稲田大学文学部出身の作家では、三木卓氏の作品や、村上春樹氏の作品や、国木田独歩の作品などには、神の概念はあまり登場しない。 このように、小説やエッセイでは、人間の自分の周辺の日常の象徴的描写だけで、文筆が成り立つのである。 哲学思想の古典を様々に学びながらも、現代の小説やエッセイにも触れてゆくことは楽しいことだし、味わう作品と人生観の幅を広げてくれる。作家の作品という「友人」は、多い方が人生は楽しいものであろう。 「真理は細部に宿る」と云うが、小説の細部であっても、永い必然の因果の果実の象徴なのである。 少なくとも、小説を読むことによって、その作家の人生を味わうこと、追体験することが出来る。作家の数だけ、人生があるのである。 確かに、ショーペンハウアーが云うように、本物の哲学者や思想家の数は、ほんの一握りである。しかし、小説家の数は多い。しかも、そのそれぞれが固有の輝きを宿しているのである。 |