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「哲学的コラム」 | ||
Japanese Dream Realization |
「アリストテレスと三島由紀夫における魂の快楽と小説 哲学の美と幸福について」 |
アリストテレスは、「ニコマコス倫理学」の中で、肉体の快楽と魂の快楽は異なると述べている。魂の快楽こそが学問の幸福であり、哲学の幸福であると云う。 このように、真善美聖を探究することこそが、人格的尊厳を大切にする哲学の本質的な営みなのである。 また、三島由紀夫の「仮面の告白」や「禁色」や「鏡子の家」などについても、恋愛が芸術にまで昇華されて小説になっていると言える。プラトン的エロスの愛が、イデアの美の顕現として、真象の小説世界に表現されているのである。 三島由紀夫に「アポロの杯」という作品があるけれども、三島由紀夫の中には、ギリシャ精神と神道精神が融合止揚されているとも言えるのである。それは、プラトン・アリストテレス的な愛、プルタルコス的な愛が、三島由紀夫の具体的芸術の愛になっているとも言えるのである。 「愛の渇き」を癒すものは、真理の愛であり、哲学的愛である。魂の渇きを真に癒すものは、真理であり、永遠不滅の理念(イデア)であり、哲学であり、また、芸術的真理であり、文学である。美そのものである。 かのダビデ像の創作で有名なミケランジェロは、マルクス・アウレリウスの騎馬像をカピトリウムの丘の建築物の中心に据えたが、このダビデ像の中にあるのも、キリスト教的精神とギリシャ的精神の融合止揚である。 このように、芸術的真理にまで昇華された時に、アウレリウスの像も、哲人皇帝として、叡智の美の顕現となるのである。 |