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|---|---|---|
| 「哲学的コラム」 | ||
| Japanese Dream Realization | ||
| 「『天網恢恢疏にして失わず』なる絶対精神の世界計画について」 |
| 「古事記」の構成を一つの預言的体系として観じてゆけば、「天孫降臨」と「神武建国」は、フランス革命についていえば、「J・J・ルソー降臨」と「ナポレオン建国」という史実に象徴的に顕れることであろう。 かつてヘーゲルが「歴史哲学」にいう絶対精神(天)の世界計画という構想を念い描かれたのは、フランス革命の現実そのものの中に顕れた如実な理念性そのものによってであろう。 確かにJ・J・ルソーは、一定の「預言」を天から授かってその思想体系を描かれており、ナポレオンも、天が使わされたとしか思えない一大世界史劇を展開されている。「コルシカ憲法草案」が著された、まさしくその「コルシカ」から、ナポレオンが実際に出現されるのである。 そして、ルソーの「社会契約論」に示されている「立法者」として、ナポレオンはわずか三十代にしてフランス民法典を制定され、世界史上の偉業を遂げられるのである。これは、明治維新であれば、吉田松陰の天来の志を、伊藤博文や、山県有朋や、木戸孝允等が、明治維新によって「国造り」として実現し、大日本帝国憲法が制定されたことにも象徴的に顕れていると観ることも出来る。 その意味において、「古事記と現代の預言」は、現代及び新時代の精神像を念い描いてゆく上で、とても参考になる。「黙示録の預言」のように紐解いてゆくことも可能なのである。 ベートーベンの「英雄」も、「皇帝」も、「運命」も、そのような激動の時代精神のリアリズムから生まれている。ゲーテは、ナポレオンを通して世界精神の小説家となられ、ナポレオンは、ゲーテを通してヒューマニズムの真髄を行動の詩人として示された。 このように、最高の哲学と最高の政治は本来一体であり、最高の政治と最高の芸術は本来一体であり、絶対精神(天)の世界計画を、この地上を舞台とした一大光明芸術として顕現してゆくのである。天の摂理は、達観してみれば、まさしく「天網恢恢疏にして失わず」である。 あらゆる面において、すべては善くなってゆくしかないのである。 |