理念情報

 「哲学的コラム」
Japanese Dream Realization



「高杉晋作とエチュード『革命』について」



 ピアノは雄弁に語り、正義を実現してゆく。ブーニンのショパンのエチュードの響きは、新生ロシア革命という歴史的現実が生み出した一大光明芸術の華である。ゴルバチョフや、ライサ夫人や、シュワルナゼや、エリツィンは、政治を通して芸術的現実を創造されたが、ブーニンは、ピアノを通して芸術的現実を創造されたのである。

 限りなく詩的な調べというものは、時には本当に革命の生みの親ともなり、伴侶ともなる。そして、近代フランス革命をはじめとする革命的現実の中から真なるヒューマニズムが育まれ、ベートーベンやショパン等が生まれたのであるということは忘れてはならない。

 詩も、音も、現実のただ中に響く。そして、「新しい現実」を創造してゆくのである。ショパンの静かな熱い夢と、現実と、幻想の響きは、フランス革命における夏中の雪を想わせる。大いなる熱気の中で、真冬のような厳しさと美しさをもった一大芸術が誕生したのである。

 ショパンの響きに似合う歴史上の人物を日本史の中であえて探せば、私は高杉晋作の名を挙げたい。彼はフランス革命のような世界史上の大舞台に登場されても、主役の一人を確実に演じきったことであろう。そして、ロベスピエールのように高潔に、志気高く、歴史の波間から突然現れて、劇的に消えていったことであろう。高杉晋作はかくも詩的に叫ぶ。

 「松明を振れ。鉾を八面に振れ。思索は春永にゆづれ。今は直覚にて足る。哲学を止めよ。信仰に據(よ)れ。書を閉ぢよ。才と策とを止めよ。国民悉く秀吉たれ」

 「疑う勿れ。最後の審判者は、我等君臣の謂なり。メッシアの出生は、我等の謂なり。彌勒の出現は、我等奮起の預言なるを。」

 この天性の革命志士は、まさに世界史的偉人である。荒野に呼ばわる声は、世界中の人々の魂に、今なお新鮮な響きを伝えてゆくことであろう。そして、新時代の一大光明芸術の一輪の華となって幸えてゆくことであろう。

 あらゆる面において、すべては善くなってゆくしかないのである。



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