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|---|---|---|
| 「哲学的コラム」 | ||
| Japanese Dream Realization | ||
| 「リーダーシップと明鏡の如き心境について」 |
| 悲しみというものも、必要以上に持てば執着となってゆく。憐れみというものも、必要以上に持てば執着になってゆく。悩みも、迷いも同様である。その証は、正しい健全な判断がそのことによって保たれるか否かということで明らかである。 正しい健全な判断に導くものであれば、悲しみの想いも、憐れみの想いも、求道心も、大切な感情想念であるといえるが、正しい健全な判断を狂わせるものであれば、一見人情にかなったようにみえるものも、煩悩の素材になってしまう。それを見極めるのが、中庸の視座であり、中道の視座であり、指導者のモラルである。 故に、悲しみや憐れみ、悩みや迷いに執われない明鏡の如き徳というものもある。常に澄み渡っている大海のような境地、大空のような境地で、あらゆるものを眺めているような器がなければ、どうして時代のゆくえを大局的に洞察することが出来るであろうか。どうして本当の志士としての決断と実行をなすことが出来るであろうか。 正しい健全な判断をなしてゆくためには、よくよく自らを振り返らなければならない。そして、心の執われから離れてゆかなければならない。心の塵や心の煩悩を浄化してゆくためにこそ内省し、反省してゆかなければならない。そうして、明鏡の如き心境を、日々日々維持してゆかなければならない。 正しい判断力は、平静な心境から生まれることが多い。執われのない涅槃寂静の心境から生まれることが多い。無執着の全託の内に生まれることが多い。正しい心境が正しい智慧を導き、正しい智慧が正しい判断力を導き、正しい判断力が正しい大愛と大善を育み、多くの人々を真に活かし、国益を増進し、世界に貢献してゆく源としての光明を切り拓いてゆくことが出来るのである。 故に、中庸の境地、中道の境地を常に保ちながら、そこから自然に湧き出づる不動心を基礎としながら、リーダーシップの王道を究めてゆかなければならない。 あらゆる面において、すべては善くなってゆくしかないのである。 |