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|---|---|---|
| 「哲学的コラム」 | ||
| Japanese Dream Realization | ||
| 「文化文明の豊かさと哲学の道について」 |
| 欲というものに「道」をつけてゆくことができたならば、その対象になったものも真に活きてくることが多い。例えば、衣食住にしても、地位や名声や金銭にしても、恋愛や性にしても、様々な欲の対象があるが、「貪」欲を戒め、無執着の空の境地を目差してゆく一方で、人間であり、地上に生きている以上、欲なしに生きることは出来ないのであるから、それを真正面から受けとめ、その中に「道」を見い出してゆけば、その中に、無欲の大欲ならぬ無欲中の大志を実現してゆくことができるのではないだろうか。 例えば、衣の道や食の道や住の道を究める哲学がなければ、生活文化も興ってこないであろう。正しい地位の全うの仕方や、正しい名誉の全うの仕方や、正しい金銭の全うの仕方や、正しい恋愛や性の全うの仕方を、多様なる道として昇華してゆく哲学を探究し、人生諸般の実践哲学として、一つ一つ丁寧に「哲学の道」をつけてゆくことは、人間世界に光明を掲げ、より豊かな文化文明を創造をしてゆく礎を創ってゆくことになるであろう。 その上で、どのように主体的に生きてゆくかは、自由意志で決定してゆけばよいであろう。物心共に豊かで多様なる選択肢のある文化文明の中から、それぞれの方が、それぞれの方の魂の奥の奥なる良心の声に従った主体的な選択をしてゆけば、そこに、真なる自由と真なる人格の尊厳が生まれてゆくことであろう。 老子のように無名無欲で生きてゆくことも一つの豊かさであり、釈尊のように涅槃寂静に生きてゆくことも一つの豊かさであり、天御中主神のように光明荘厳に生きてゆくことも一つの豊かさであり、ゲーテのように文化的教養人として生きてゆくことも一つの豊かさであり、そのすべてを活かせる大道こそが、大いなる文化大国の実相ではないだろうか。 あらゆる面において、すべては善くなってゆくしかないのである。 |