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| 「哲学的コラム」 | ||
| Japanese Dream Realization | ||
| 「清濁併せ呑む道徳について」 |
| 聖人君子の倫理道徳といっても、多様な個性がありうるものである。一般に、君子の徳とは清らかさを旨とするものであるが、一方、聖人の徳の中には清濁併せ呑む徳もある。これも大切な道徳の道であるといえる。私は、人間には、両面の見方が出来、時と場所と機会においてバランスよく使い分けてゆくことが肝要ではないかと思う。
本来清らかな倫理のもとに是々非々を貫かなければ筋が通らないこともあれば、清濁併せ呑み、許しと寛容さと譲る心をもって相手を包み込んでゆくことの方が円満に「和」を創出し、自他共に活かし、お互いの個性を活かし、全体としての繁栄と幸福と平和と大調和を育んでゆくことも多いからである。 時には、相手の罪を断罪するよりも、相手の中に一片の理を認め、相手の重要感を認め、相手の神性、仏性、良心、真心、理性を信頼してゆく方が、自他共に活き、全体としても大きなプラスを産んでゆくことは多い。相手の本来罪なき本来の実相の部分をよくよく観じ、長所を探し、讃嘆し、共通項を探し、同志の絆を深め、お互いに信頼し合う関係を創ってゆくことの方が、大局的にみて大善を選択したことになることも多い。 一般に、自らのプライドにこだわるよりも、あえて自らのプライドを空しくして、よく遜ることのできる方の方が仁徳が深いことが多い。何故なら、そこには、無私の美徳、無我の美徳があるからである。より大愛が必要だからである。川の流れのように、海の場所のように、より低きに身を置くことによって、その方の人格がより底光りして光沢を放つこともあるのである。 あらゆる面において、すべては善くなってゆくしかないのである。 |