理念情報

 「哲学的コラム」
Japanese Dream Realization



「ドラマについて」



 ドラマの本質について考えてみたい。私達は、何故ドラマに心魅かれるのであろうか。

 ドラマの多くは、人生を描いている。しかし、人生の平坦な大部分の時間よりは、より劇的な部分を抜き出して濃縮したように描かれている。いわば、ドラマの中には、人生の喜怒哀楽のエッセンスのようなものがこめられているといってよいであろう。その意味において、ドラマは、私達の人生を表現しているといってよいかもしれない。もっと端的にいえば、人生の本質を顕現しているといってよいかもしれない。

 私達は、根本的に、「人生とは何か」「いかに生くるべきか」ということを問うている。たとえ哲学者ではなくとも、多くの人々が問うていることなのである。そして、答えを求めているものなのである。ドラマとは、そうした私達の問いに対して、人生の本質を顕わすことによって、答えて下さっているのではないだろうか。

 確かに、ドラマの大部分はフィクションである。しかし、人生から離れたフィクションではなく、実際の人生よりも、より一層人生の本質を感じさせるフィクションなのである。私達は、ドラマの中に実人生を見い出す。そして、ドラマを通して、自己の実人生の本質を自覚するのである。

 人生はドラマのように劇的ではないという方もおられるであろう。しかし、よくよく一人一人の人生を達観してみると、実人生こそがドラマであることが分かるのである。

 一人一人の人生は芸術である。しかし、それは、人生を芸術的視点から眺める洞察力と達観がなければ、なかなか観えてこないものであると思う。故に、私達は、ドラマを観て、ドラマを芸術的視点から眺める洞察力と達観をもって観ることによって、人生の芸術的本質を自覚し、さらに、自己の実人生がいかに芸術的であるかということを自覚するにいたるのである。

 このように、ドラマの本質とは、人生の本質を顕現させて、人生の芸術性を表現することによって、一人一人の実人生の本質と、実人生の芸術性を自覚せしむる所にあるのではないだろうか。

 あらゆる面において、すべては善くなってゆくしかないのである。



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