理念情報

 「哲学的コラム」
Japanese Dream Realization



「理念に始まり理念に終わる」



 理念というものは天上的なものであり、地上から離れたものであるのか、それとも地上の現実の中にあるのか、プラトンとヘーゲル以来の課題である。

 しかし、理念とは、地上の現象そのものではない。地上の現象の奥に洞察される真実在である。この現象の奥にある理念とは、精神の世界に実在するものであって、精神そのものによって把握されたものである。この精神の世界には、天上世界があるものなのである。故に、理念とは、現象の奥にある理念であり、それが天上的なものであるといえるのである。

 このように精神世界を深く洞察することによって、プラトンのイデアとヘーゲルの理念を止揚統合することができるのである。ここでは、かかる真実在を理念とよぶことにする。

 プラトン哲学においても、ヘーゲル哲学においても、共通していることは、理念が永遠不滅の真実在であり、真理そのものであり、法則そのものであるということであろう。そして、同時に、真善美聖などの価値の究極の源であるということであろう。

 同じ真理を核としながらも、プラトンは限りなく神秘主義的であり、一方ヘーゲルは限りなく合理主義的である。この違いは時代背景にもよるであろうが、この理念というものは、本来地上の現象の奥にある世界のことを説明する点において、本来神秘主義的なものであり、実質的に宗教的世界観と軌を一にするものであるといえる。と同時に、宗教と職分を異にする点において、限りなく合理的、理性的なのである。

 理念とは、哲学の始源であるプラトン哲学と哲学の終極であるヘーゲル哲学を結ぶ哲学的真理の究極の真実在であり、哲学の真なる目標である。新時代は、この止揚統合された新しい理念によって始まってゆくのである。

 あらゆる面において、すべては善くなってゆくしかないのである。



このホームページのトップへ 


「理念に始まり理念に終わる」 に対するご意見・ご感想などございましたらご遠慮なくお寄せください。
ご意見・ご感想はこちらから