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| 「哲学的コラム」 | |
| Japanese Dream Realization |
| 「叡智的幸福について」 |
| 哲学は難しいといわれる。確かに哲学は、概念によって思考してゆくので、その抽象的思弁についてゆくのは難しいといえるだろう。 しかし、哲学が探究しているものは、概念によって説明されることが最も適切なものなのである。しかも、そこに、概念によって探究されるが故に味わえる、深く高い世界が存在するのである。かかる世界を表現するのは、概念以外の手段によっては難しいのである。 確かに、芸術や宗教を通して同じようなものを表現することも可能ではあるが、概念の世界には概念の世界にしかない悦びがあるのである。 これは一言でいえば、叡智的幸福感とでもいうべきものであろう。我々が、概念によって、概念の奥にある所の理念の世界、叡智的世界を真に実感したならば、そのあまりの美しさ故に、そのあまりの幸福感の故に、地上のありとしあらゆる美しさ、ありとしあらゆる幸福は色あせてしまう程である。 この叡智的世界は、真実の意味では、哲学によってのみ到達できる世界である。純粋なる理性の世界である。この世界には、理性の究極の輝きが宝石のように散りばめられているが如き美があり、芸術による感性的なる美にも、宗教による表象的なる美にもない、究極の叡智的美の世界が実在するのである。 かかる叡智的美の世界を認識することこそ、哲学の眼目であると私は考える。故に、様々な概念的思考の中に、この叡智的世界を垣間見させてくれる哲学こそが真の哲学であり、真の哲学に触れると、この叡智的幸福感が味わえるのである。 確かに概念的思考は一般に難しい。しかし、それによってしか到達出来ない、それによってしか把握できない、叡智的世界の幸福感があるのである。 あらゆる面において、すべては善くなってゆくしかないのである。 |